『不完全な意思表示』

心裡留保とは?

 「本心でないことを知っていて意思表示をすること(をついたり、冗談を言ったり)」

 心裡留保による契約は有効】

なので一方的な冗談で契約を行っても、それは有効となります。

(冗談や嘘をつく方が悪いということ)

 

しかしッ!!以下の2パターンは無効となります。

①相手方に悪意があった(冗談だと知っていた)場合

②相手方が善意有過失少し注意すれば冗談だと知ることができた)の場合

 

通謀虚偽表示とは?

 

通謀虚偽表示とは、お互いが嘘の意思表示で契約をすることです。

 

つまり・・・

 

Aさん「借金取りに土地を持っていかれそうだから売ったことにしといて!」

Bさん「わかった!じゃあ買ったことにしよう!」

これが通謀虚偽表示で、契約は無効です。

 

しかしこれも有効になるパターンが存在します。

・【善意(通謀虚偽表示のやり取りを知らない)の第三者】に対しては有効となります。

(Aさんが通謀虚偽表示でBさんに土地を売る、そしてBさんがその土地を何も知らないCさんに売った場合、Aさんは「契約は無効のはずだから土地を返して!」と言えない)

 

錯誤とは?
 
錯誤とは、勘違いのことをいいます。
例『2億円の土地を2000万円と勘違いして契約してしまった』などの場合を【錯誤】という。
 
錯誤による契約は無効となります。
少し難しく言うと「要素の錯誤(契約の重要部分について勘違い)による意思表示は無効」です。
しかし、勘違いしてしまった側に重大な過失(ミス)がある場合は無効を主張することができません
 
そして、錯誤は善意(悪気のない)の第三者にも対抗することができます
 例【Aさんが錯誤(勘違い)で土地をBさんに売る、その土地をBさんがCさん(第三者)に売る、土地はCさん(第三者)のものになる、しかし勘違いに気がついたAさんは「やっぱり返して!!」とCさんに言うことができる。】
詐欺
 
 詐欺とは、相手を騙して契約をすることをいいます。
詐欺によってなされた契約は取り消すことができます
 
しかし詐欺による契約は、善意の第三者には対抗できません
例【AさんがBさんに騙されて土地を売る、その土地をBさんが善意(詐欺があったことを知らない)のCさんに売る、騙されたことに気がついたAさんはCさんに「土地を返して」と言えない。】
 
↑Cさんが、詐欺があったことを知っていた(悪意)場合は、Aさんは土地を返せ!と言うことができます。
強迫
 
強迫とは、相手を脅すことをいいます。
強迫によってなされた契約は、取り消すことができます
 
そして強迫の場合は善意の第三者に対抗することができます
 
ちなみに相手(第三者)が善意でも悪意の場合でも契約は取り消すことができます。